【Caution】
本記事はビザ取得までの体験をまとめたもので、手続きの詳細までは載せていません。情報の抜け漏れもありますし、管轄する自治体や担当者レベルで対応が変わる国なので、ひとつの読み物としてお楽しみください。
前回のブログアップからかなり時間があいてしまいました・・・。
気づけば2023年。
年末年始は2週間ずっと風邪でしんどくて、治ったと思ったら胃痛で一週間ほど身動きできず散々な冬を迎えておりますが、皆様元気にしてますでしょうか。なんか1月は日本もセルビアもみんな体調崩してた気がします。早く春になってほしいっっ。
さて今回ですが、ついにセルビア滞在ビザを1年分ゲットしましたのでその経緯を書いてみたいと思います。うまくできるかな。どうかしら。
ヨーロッパ移住成功?
セルビアで開業・滞在ビザ取得!前編
2022年8月、ただの旅行者としてセルビアにやってきた私。そこから12月のビザ取得まで、実にいろんな出来事がありました。
言葉の壁、文化の壁に苦しみつつも、様々な人に助けてもらいながら一応、移住達成?!となるまでを時系列にまとめてみます。振り返ってみると、3日くらいぶっとおしで喋りしたいくらい色々あったな・・・(しみじみ)。
ちょっと長くなってしまったので前編・後編に分けますが、バタバタ具合を楽しんでもらえたら嬉しいです!!
【海外移住について】
移住を “達成した/しない” の基準がどこにあるかわからないんですが、とりあえず夢だったヨーロッパに居住者として滞在できることになったので、私の中では「成功!」です。ちゃんと税金払ってれば1年毎にビザの更新ができ、5年経ったら永住権の申請もできるそうですが、はてさてどうなるか・・・未来のことは誰にもわかりません。
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前編
1. ネットで情報収集!
2022年7月末、私はセルビアの首都ベオグラードにやってきました。
というのも、秋からドイツの大学に行けるのか、どこか別の国で滞在できるアテを探すことになるのか全くわからなかったので、念の為シェンゲン圏のツーリストビザ期間を節約したかったのです。
(90日滞在ルールについてはこちらの記事)
そして、ドイツ大学の結果を待ちつつ(落ちた)1ヶ月セルビアに居たのですが・・・。
セルビア、住みやすいかもしれない!!!
と思ったのです!!
EUじゃないし交通網が貧弱なので陸の移動は不便だけど、飛行機で欧州のどこにでも行けるし、物価は安いし、都市圏ならかなり英語通じるし、治安もいい!
またセルビアの人は、正直超フレンドリー!って感じではないんだけど・・・
こちらから声をかけると、真顔でめちゃめちゃ助けてくれる。
そう、真顔で。
あっフレンドリーな人もちゃんといますよ!
あと実は・・・渡航前にいくつかの情報源から、「ビザとれるかも・・・?」という情報を得ておりまして、その真偽を確かめる意味でも1ヶ月滞在先に決めたのでした。
Youtube&ノマド関連サイトで移住情報をチェック
Youtubeやノマド移住関連サイトでは、セルビアに移住した人の話がいくつか出てきます。
しかしそのうち半分以上は『セルビアで不動産を購入した』ケース。世界には、特定の不動産を購入した人に自動的に居住権を付与する国がちょこちょこあるのです。(トルコとか)
・・・日本に比べて不動産が安いとはいえ、私にはそんな財力ないので却下。
次に見つかったのが、
「セルビアで会社を作ったら、居住ビザが取得できる」
という情報。
しかも・・・収入要件なし!そして、会社といっても個人事業主のままでよくて、人を雇う必要がないらしい!(国によって「現地人を○人以上採用すること」などの条件があります)
この「収入要件なし」って、実はすごい珍しいのです。
他の欧州圏でもデジタルノマドビザやフリーランスビザ、開業ビザがあるんですが、たいてい「月3,500ユーロ以上稼いでること」、「クライアントと1年以上の契約があること」、「○円以上の元手があること」など、なかなか厳しめの条件が並んでいる。
なにしろワタクシ薄給×新米のしがない英会話講師なので、よっぽどゆるい要件じゃないと難しいんですよね。
(そもそも私のノープラン移住チャレンジが無謀かつアホ丸出しNGケースなので、マトモな皆様は移住先で良い仕事みつけるなり、資産作って不動産買うなり、稼げるITフリーランスになってね★)
あくまでネットの情報なので鵜呑みにはできない・・・けどもし本当に収入要件がないなら、私もこのビザが取れるかもしれない・・・。
というわけで、さらなる情報収集に乗り出しました。
Facebookグループをチェック!
Facebookには、「その国(もしくは街)に住む外国人のための交流グループ」が多数存在していて、セルビアにもセルビア在住外国人(Expats in Serbia)グループがあります。日本人が多い地域だと、現地日本人専用グループも。
ここでは本当にいろんな情報があふれていて、例えば以下のような投稿をみることができます。
- セルビアへ引っ越したいけど、どの不動産屋がいい?
- 歯医者ってどこがおすすめ?
- 〇〇でこんなイベントあるよ!
- 子供にスペイン語教えてくれる先生募集!
- アパート探し/住人募集
- 明日暇な人飲みに行こ〜
- ○○買うならどこがおすすめ?
- ビザとりたいからいい弁護士教えて!
あまり詳細はないけど、「これで移住できたよ〜」みたいな声も沢山あり、中には法的にグレーな情報も・・・。開業ビザをとった人は多くはないものの、そんなに難しくなさそうな感じだったのでますます詳細が気になる私。
2. 弁護士(Advokat)を探す!
ネットの情報が確かならば、私はセルビアに居住できてしまうのかも・・・!?
期待を胸に、早速弁護士(Advokat)さんに話を聞くことにしました。ダメなら次の国を探すのみ!!
ビザ取得や更新がマジで大変すぎる(そして理不尽な扱いを受けまくる)という話を友人から散々聞かされていた私。余計なトラブルを避けるためにも、手続きはガッツリ弁護士を通そう!と決めていました。
金で解決できるものは、自分の財布が許す限り払うぜ!
弁護士Aさん – 色々思うところあり断念
2022年8月中旬、まず出会ったのが弁護士Aさん。
メールでアポ取りメールをしたらすぐに返事が来て、ドキドキしながら会いに行きました。若くてハツラツとしてて、外国人クライアントを多く担当してる方。(お金持ってそう・・・)
自分の今の状況はメールで先に伝えておいたのですが、事務所のイスに腰掛けるなり、こう言ったのです。
「オンラインで仕事してるんでしょ?
パスポートとホワイトカード*があれば、すぐビザとれるよ〜!」
・・・
えーーーっそんなサクッと?!マジで?!
テンションめっちゃ上がりました。
所得金額のルールもなく、ぶっちゃけ月5万円程度の収入※でもビザが取れるというのです!しかもよほど問題がなければ1年単位で更新できると・・・!!
※ もちろん5万じゃ生活できませんし、税金や社会保険料の支払いも必要です。赤字でもいいから欧州に居住したい人はどうぞ。
・・・というわけで、しばらくこの弁護士さんとやりとりしていたのですが・・・。
・・・仕事が雑!
・・・いや、日本みたいに正確で丁寧なサービスなんてもちろん期待してなかったけども!!
最終的に払う事になる依頼料(€600と言われてました。相場よりだいぶ高め)を考えると、それに見合うほどの対応してもらえなくて・・・。最初の印象は凄く良くて、助けてもらった部分もあるんですけどね。
何を質問するにも全てのやりとりが口頭ベースで、どの書類が必要で、いつどこに何を払って、どういうタイムラインになるのか・・・一つ一つ自分で会いに行って話し聞きながらメモ取らないといけないんですよ。そこで教えてもらった情報すら超ざっくり&歯抜けで、後からビミョーに違う事を言われたり・・・。言われた通り準備していたのに急に「○も必要だよ〜」と平然と言われたり・・・。
かなりあとになって、これがセルビアスタンダートだったことを学んだ私ですが・・・。
結局・・・
“そろそろ本格的にビザ申請の準備始めないと・・・!”という時期まできて、その適当さと返事の遅さに嫌気がさし、次なる弁護士さんを探してみることにしたのでした。
ちなみにこの弁護士さん、日本と違ってアポを取って話を聞く時間は費用がかかりませんでした。
「成功報酬で、ビザとれたらまとめて依頼料もらうね」と言われて、最初こそ素晴らしい!と思っていたんですけどね・・・。うーん。
とはいえこの時点までに色々情報をもらっていたので、せめてものコンサル料としてほんのちょっとお礼を支払わせてもらいました。タダ乗りは自分の心が許さないもので・・・。
弁護士Bさん – 親切丁寧、迅速!ただしリモート!
日本人のパスポートでは、観光客としてセルビアに滞在できる期間は90日。
ビザを申請するなら、この期間中に申請を終えていなければ不法滞在になってしまいます。
(申請中の書類があれば、以降は90日すぎても大丈夫。ただしビザが出るまで国外に出られません)
観光ビザの期限が迫り、いよいよどうしよう・・・というタイミング。
私はまたFacebookグループを漁り、なんとなくインスピレーションで信頼できそうな別の弁護士さんを見つけて連絡してみたのでした。
するとその女性・・・
めちゃめちゃ親切で、どんな質問にもすぐに答えてくれて、やりとりがびっくりするほどスムーズだったのです!!
しかも費用が格安!!!
弁護士・・・変えてよかった・・・。
結果、この方にお願いしてよかったです!
ただ・・・実はちょっとイレギュラーな状況で苦労した点もありました。
【ネックだった点】
- 本人は長期旅行中でセルビアに居ない (あれ?)
- やりとりは全てFacebookメッセンジャー (斬新)
- 書類作成など、実務を担当するのは彼女のご家族の弁護士さん (英語NG、でもめちゃ親切)
- 警察へのビザ申請や保険申請は自分でやらなきゃいけない(大変だった)
- ビミョーに情報が雑(やっぱりそこはセルビアだった)
必要な書類はぜーーーんぶ作ってもらったんですが、特に「自分一人で申請に行く」の部分が大変でした。
「この書類持っていけば大丈夫だから!」と言われてドキドキしながら警察行ったらアレコレ文句言われて追い返されたり、用意していた書類が保険会社のミスで使えなかったり・・・。
もし弁護士Aさんにお願いしていたら、警察への同行もしてくれたようなのでもっとスムーズだったかも・・・。ただ全体的にかなり費用が浮いたし、ほんのちょっとだけどセルビア警察の手順がつかめたのでよしとします!!
海外での経験値、アップー!!
(ポジティブー!)
3. セルビアで会社をつくる!
滞在ビザを申請する為には、まずセルビアで会社を作らなければなりません。
開業書類作成に関してはぜーーーんぶ弁護士さんにおまかせし、私は言われるままに以下の事をしました。
超重要!ホワイトカード(Bela Karta) を用意する
セルビアに限らないと思いますが、海外ではまったく筋の通らない謎のルールが社会を牛耳っていることがあります。ホワイトカードもその一つ。
【ホワイトカード】
外国人がセルビア国内の個人宅(認可済ホテルや宿泊施設を除く)に滞在する場合、セルビア到着後24時間以内に直接警察に行って届け出なければならない、という法律があります。その際、滞在先オーナーが記入して警察に許可を受ける書類がホワイトカード(Bela Karta)。
− 内容 −
滞在者名、国籍、入国日、申告日、滞在先住所、オーナーの名前、連絡先、サイン、警察の受領印
※オンラインでも申請できるようですが、対応してくれるかどうかは大家さんによります。
たとえ観光目的の短期滞在であっても、セルビアのお宅に2日以上滞在する人は絶対必要・・・のはずなんですが、日替わりで客を受け入れている隠れ民泊オーナーや大家からすると面倒でしかない。ということで、通常は自分からお願いしないとホワイトカードの発行はしてもらえません。また警察も暇じゃないので、よっぽどのことがない限り提示を求められたり、罰金をとられることはありません。(保証はしませんけど!)
ただ・・・
セルビア国内での事務手続きを始めようとすると、このホワイトカードがめちゃくちゃ重要になるのです!!
滞在先の証明として使われる為、これ持ってないとびっくりするほど話が進みません!!
例え1ヶ月の仮住まいであっても、この書類が居住証明代わりとなるのです。いやぁ意味不明!!
私の場合は事前にこの書類が必要だと知っていたのと、Airbnbの大家さんに協力してもらってスムーズに取得できた(しかもその家にそのまま住むことになったのでずっと同じ紙が使えた)のですが、もし入国時にホワイトカードを取得できなかった場合、バスでいったん隣のボスニアかなんかに出国して、再入国した上でホワイトカードを取得するケースもあります。(いやこれも意味不明)
個人用の銀行口座を開設する
海外在住者の最初の難関といってもいい通例行事が「銀行口座の開設」。
セルビアはもともといろんなルールがゆるく、外国人であっても比較的簡単に銀行口座が開けると聞いていました。
が・・・2023年はロシア侵攻の影響で大量の移住者が流れ込んでおり、銀行側も徐々にその基準を厳しくし始めている時期でした。私もいくつか銀行を回ってみたものの・・・「セルビアに就労してる人じゃないとNG」とか、「既にビザを取得済みじゃないとNG」とか言われて断られまくりました。
はて困った・・・。
その時!!!
まさかの救世主が現れたのです!!
同じセルビア語クラスになった中東出身の男の子が・・・
「○銀行の○支店にいったら、口座作ってくれたよ」
と教えてくれたのです!!
彼は彼で、自分の国籍と学生という身分のせいで銀行開設に苦労していたのでした。(悲しい・・・)
というわけで早速その銀行に行ってみると・・・。
秒で作れた
はい、銀行口座開設完了!!
会社名を決める
弁護士さんに、「自分がやる事業に関連した名前で会社名を決めて〜!」
と言われたので、自分の名前 Yumeと、ひとまず語学学校として開業するので Language School をあわせた名前にしました!ドキドキ〜!
ちなみに・・・普通ビザっていうのは就労に関して色々な制限がつくはずで、開業したならその事業しかできないのが通例なのですが、現時点のセルビアではそういうものは一切ないと言われました。
一応メインは語学学校(個人事業)だけど、別の仕事を受けたり、なんなら企業に雇われても良いそうです。そんな国あるの・・・ゆるゆるやん・・・?
ただしルールはコロコロ変わるので、必要なら自分で調べてね!私は何も保証せん!
各種書類にサインし、全てを委ねる
さて!!
ここまでできたら、弁護士さんに言われるがままいろんな書類にサインしまくります!!
(セルビアの公的文書は全部キリル文字だし全然わからないので、全てを信頼してサインしまくりました爆)
また開業が終わったら今度は滞在ビザ申請もしなければならないので、同時進行でいろんな書類も集めつつ、あちこち問い合わせて右往左往しておりました。
待つこと一週間・・・。
無事、受理されたと連絡が!!!
最後に、会社名が入った公的スタンプ(印鑑のようなもの)をスタンプ屋さんで作ってもらって、無事開業完了です!!かなりスムーズでした。弁護士さんに感謝。
★補足★
私の場合は最初の段階で住むアパートが決まっていたので、ホワイトカードの住所 = 現住所として各書類に記載できたのも大きかったです。この後の必要書類にでてくるけど、アパートの賃貸契約書もすぐ書いてもらえたし。
今、ヨーロッパ都市での家探しはマジで大変なので、みなさん予算と時間に余裕をもっておいたほうがいいです〜!
3. 【前編のまとめ】- 余談など
さてさて、いったん会社を作るまでをお伝えしてみましたが、みなさまの目にはどう映っておりますでしょうか?めんどくさそう?大変そう?面白そう??
後編で詳しくお伝えしますが、警察でのビザ申請はかなり大変でした。ただ、海外における各種手続きのやばさは友人から散々聞かされていたので、まぁ覚悟もできていた・・・。
(まず家探しが大変で100件問い合わせても1件しか返事が来ないとか、突然家賃を釣り上げられたとか、大家さんとトラブルになって突然家を追い出されたとか・・・。)
((お役所系ももちろん雑で、そもそも役所アポが埋まりすぎて予約がとれず、移民局に前日夜から並ぶ(それでも入れない)とか、なんとか申請にこぎつけたはずなのに半年以上ビザが発行されないとか・・・。))
これらはほぼドイツ在住の友人から聞いた話です。日本の感覚で会社や役所を信頼するとどこかで必ず痛い目に遭うのが通例だし、先進国だから整ってるだろう、なんて絶対思っちゃだめです。それがセルビアならなおのこと期待NG!
でもね・・・
そういうつらい時もあるけど、優しく助けてくれる人もたーーーーっくさんいるのです。
いろんな出会いがあって、バタバタだけどなんとなくサバイブしてる感覚が癖になってしまう・・・!((いや、ならんわ))
「どうしてセルビアに来たの?」
って毎回いろんな人に聞かれるし、なんならセルビア人にも「なんで??」って聞かれまくるんですが、こればっかりは私もわかりません。
ただ、細かいバタバタはあるにせよ、セルビアに到着してから今まで、びっくりするほど色々スムーズだったんですよね。たまたまステキなおうちが見つかって、たまたまオンラインで仕事が見つかって、たまたまその条件でビザがとれて、さらに助けてくれる人との出会いが沢山あって・・・思ってたほど苦労せずにここまで来てしまったのです。
ついでに言うと、セルビア??どこ??っていうニッチ感も自分らしくて面白いなぁと。
ああ、積もる話が止まらない・・・。
今日はいったんここまで!
ありがとうございました!