滞在日:2023年8月25日〜8月30日

家無しボスニア・ヘルツェゴビナ 1
ノヴィサドからバーニャルーカへ、ドラマたっぷりバス移動

バーニャ・ルーカ中心地にある教会。

ああああ毎度ながらブログが遅い!遅いです!今回の旅も8月の話!今11月半ば!ああもう!ああ!
でもいいの!書かないよりマシなの!多分!きっと!

セルビアのアパート居住不可?!すったもんだの家無し放浪旅スタート! でも書いた通り、アパート水漏れ問題のせいで家無し?状態になってしまった私。家賃もかからなくなったので、長期で旅に出ることにしました。とはいえ何かあったらすぐセルビアに戻れるよう近隣都市を検索した結果、距離は近いけど微妙に行きづらい国・ボスニアにお邪魔することに。

9月いっぱいはサラエボに滞在することが決まったのですが、その前に違う街にも行ってみたい…ということで、第二の都市バーニャ・ルーカへ。ヨーロッパで”第二の都市”というと、首都とはまた違う歴史・民族を持っていることが多いのですが、こちらもその一つです。

ネット上であんまり情報が出てこず、周りでも行ったことがある人が皆無の街。あんまりおもしろくないのかなーと思っていましたが、意外と楽しかったのでシェアしていきますね!!

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バーニャ・ルーカはクロアチアに近い、ボスニア北部の街です。

ちょっとわかりづらいですが、ノヴィサドからバスに乗った後、一度クロアチア入りして高速道路を利用して進みます。というのも、ボスニア・セルビアはインフラが整っておらず、多くの地域でちゃんとした高速道路がないのです。更にボスニアは国全体が超山深い地形で、見た目よりだいぶ移動時間がかかる…。まぁ、今回のルートだってボーダーコントロール(国境)を2回も通るので結局6時間かかるんですけどね。たったの300キロなのに…。

15:40 出発!

バルカンエリアの長距離バスは、繁忙期じゃない限りチケットが売り切れることはありません。ターミナル以外から乗る場合、街のバス停から乗って、運転手から切符を買うこともできます。

が、そうはいっても万が一乗れなかったら困るので前日にバスターミナルでチケットを買っておきました。オンラインで買えたらいいんですけど、ローカル会社は非対応だったりするのよ…。切符はたしか片道2,500ディナール(3,000円強)、往復4,000ディナールくらいだったかな。今回、復路はサラエボ出発になるので片道のみ購入。

着々と工事が進められている。

セルビアは2027年のEXPOに向けてガツガツインフラ投資をしていて、特にセルビア北部は高速や鉄道の整備を頑張っています。が、まだ工事中なので下道で西に進みます。

陸路でパスポートコントロール…危うく足止め?

サラエボからの帰路で通った検問所。たぶんŠepak Border Crossing

そういえば、陸路のボーダーコントロールパスポートコントロール)って経験したことない方も多いかもしれません。場所によって若干プロセスは違うかもですが、私が知る限り以下の流れです。

最初のクロアチア国境では、なぜか私のパスポートチェックだけやたら時間がかかってかなり焦りました。他の地元民は一瞬なのに…。今まで入国でひっかかったことなんてないし、『こちとら日本人やぞ!悪い事するような動機も勇気も1ミリもないぞ!!』と思いつつ、イミグレの女性が私の履歴をチェックするのをハラハラ待つのみ…。結局15分くらいかかってようやくスタンプがもらえました。一体なんだったんだ…。

バスに乗ってる皆さんの視線が痛い…この時間でかなり心が消耗しましたが、運転手のおじさんが心配して近くで見守ってくれ、チェックが終わった後もジェスチャーで慰めてくれて凄く優しかった。

そして、バスがクロアチアに入った瞬間…

高速道路がきれい!!!

全然違う!全く違う!レベルが違う!レベチ!ネクストレベル!!

これがEUか…。
この後またボスニアに入国するのでトータル2回の検問を通るのですが、その時間ロスをカバーするレベルで道路が整っているクロアチア…。格差が半端ない。

まさかの出会い?!日本語を話す親子に遭遇!

クロアチア内のサービスエリア的な場所。コンビニ/トイレ/ミニカフェが入った建物がある。

さてクロアチアに入国しトイレ休憩。この時点で19:30くらいだったかな?全然進んでないのに3時間も経ってやがる…。
まぁ、隣の席に誰もいないので気楽でしたが…バルカン移動の宿命です。

トイレを終えて夕日を見ながらぼーっとしていると、突然声をかけられました。

背の高い若い女の子。びっくりして話を聞くと、彼女は家族の仕事の関係で10年間日本に住んでおり、出生地も日本だというのです!!!!今回、妹さんとお母さまとボスニアの祖父母宅に行く途中だそうで、お母さまも日本語がとっても上手でした!!

私は思いました。

…こんなことって、ある!?!?!

いや、ねぇだろ!
ノビサドからバーニャルーカ行きのバスに乗る日本人なんて年に数人?とかだろうし、そこに日本語ペラペラの現地人が乗ってる確率って、どんだけ?!ねぇどんだけ??!

そこから先は、女の子の隣に座って沢山お喋り。
彼女は小学校まで日本語環境で育ち、別の国に移動したと思ったらコロナが発生して数年まったく移動できなくなり(家族も離れ離れ)、最近やっとボスニアに戻ってきたというのです。コロコロ環境が変わって相当大変だっただろうだけど、各地にお友達がいるみたいで凄い。
日本にはいい思い出しかないそうで、いろんな話を聞かせてくれました。バーニャルーカに滞在すると言ったら、周辺のお勧めスポットまでわざわざ書いてくれたのです。優しい…涙

その後、再度ボスニアに入国するボーダーコントロールでは親子が「一緒に行きましょう」と付き添ってくれ、何かあったらすぐサポートできる体制で助けてくれたのでした。一回目のコントロールで引っかかったのを見てたのでしょう…。

優しい…!優しいよ!!!

さっきの運転手(バーニャルーカのバス会社)といい、私の中でどんどんバーニャ・ルーカのイメージがアップしていきます。家族のお仕事の都合で普段は祖父母と暮らしていて、今は久々にお母さまと帰省中とのこと。ううう…えらいよう…涙

バーニャ・ルーカのバスターミナル到着!ネット繋がらず危うく迷子?

サラエボ行きの時に撮ったバスターミナル内の写真。

さて、日本語ペラペラ親子は途中で降りてしまいましたが、「困ったらいつでも連絡して!」と暖かい言葉をいただきホックホク。これぞ旅の醍醐味だよなぁ…旅はやめられないなぁ…なんてニヤニヤしながら、バスは無事にバーニャルーカのバスステーションに到着したのでした。

すでに22時過ぎ…16時前に出発したので、まるっと6時間くらいかかっています。疲れた…バス代が安いのが救いですが、インフラ頑張ってほしい…。

昼間来た時のバスステーション。夜は真っ暗…。

さて、ここから宿に行かねばなりません。事前に調べたところバスターミナルから市街地まで2キロ以上あり、こんな夜遅くに荷物付きで歩くなんて無理。バスかタクシーを使わねば…。

まずATMで現地通貨ボスニアマルクを降ろし、(タクシーとかはユーロも使える)、ネットで地図を…と思ったら…

ネットつながらん!そう、ここはセルビアじゃないのです!!セルビアのSIMは使えないんです!!
…いやまぁそれはわかってたんですが、バスターミナルにWifiがねぇ!!!そんなことあるん?Wifiないとかあるん?!?!

ボスニアはセルビアと同様EUではないので、EUローミングも使えません。セルビアSIMのオプションに「西バルカンローミング」ってのもあるんですが、高いので契約してなかった…ううん…。

気が進まないけど、ターミナルのカウンターに聞いてみることに。
すると予想外に優しいおば様が、「出た所にバス停あるから〇番のバスに乗って」と教えてくれたのです。しかも、市街地行きのバス番号をわざわざ紙に書いてくれた…英語は通じなかったけど、バルカンの交通機関でそんなに優しい人めったにいない(マジ)ので凄く嬉しかったです。

外に出ると真っ暗で不安でしたが、2分ほど歩いたところに大きいタクシー&バスターミナルを見つけました。お目当てのバス(確か10番??)が留まっていたので近づいたところ、運転手が私に向かって笑顔でこう言いました。

「あなたはドイツ語を話しますか?」って…ワタクシ昔ベルリンでドイツ語をちょっと習ってたので普段なら答えられるんですが、疲れとパニック(なんでアジア人にこれ言う?!)でセルビア語しか出てきません。まごまごしてると彼はボスニア語に切り替えて、バスチケットを売ってくれました。

ちなみに…
セルビアもボスニアも旧ユーゴスラビア地域で、同じ言語を話します。若干の方言や綴りの違いはあるものの、基本コミュニケーションはセルビア語がそのまま使える。便利!

この運転手さん、おそらくどこかでドイツ語を習っていて、ちょっと使ってみたかったのかな、と思います。というのも、あまり豊かでないバルカン半島ではドイツ語を学んでスイスやドイツに出稼ぎに出る人がとっても多いのです。またボスニアは豊かな自然を求めて多くのドイツ人が旅行に来る事も影響しているのかもしれません。

さてこのフランクな運転手さん、身振り手振りで街に行きたいと伝えたところ、わざわざ他の乗客に英語通訳を頼んで、私が降りるところを教えてくれたんです!!運転手さんも乗客さんも親切すぎる!!なんてこと!!海外の交通機関でこんなに親切にしてくれることめったにないよ!!!!

既にバーニャルーカにメロメロです。

宿が見つからずパニック!街の人に救われチェックイン!

パニックすぎて写真がないんですが、事前に聞いていた住所の場所にいるはずの人(ホスト夫妻のお父様)が見当たりません。というかこっちの住所って日本人にはなじみがなくて、どの建物なのかも定かじゃない…しかもネットが全く通じず、近くにWifiが使えそうな場所も見つからず途方に暮れてしまいました。宿のホストに連絡をとろうにも電話もかけられない…既に23時…ああどうしよう…ああ…。
が、治安がいい街なのか、この時間でも外には若者が闊歩しています。宿の近くのベンチに若いお姉さんが二人座っていたので、英語で話しかけてみました。

すると、「私のネット使って!!」と速攻でテザリング設定をしてくれた上、ホストの番号を聞いて代わりに電話してくれたのです!!!!

優しい!バーニャルーカの人みんなオニ優しい!なんじゃこりゃ!!

結局ホストには電話がつながらず(ここはやや無責任…折り返しもなかった…。)、しばらくウロウロしていたら無事お父様に遭遇できました!!!お姉さん達に丁寧にお礼を言って、無事に宿にチェックイン!!!

…って、書いてみるとアッサリしてますが、当時の私はもうパニックですよ。移動でヘトヘトだし、夜遅いし、マジパニック

Central Street

Booking.comで予約した宿は、いわゆる民泊のアパート貸し物件。私としては全然ホステルのドミトリーでいいんですが、英語レッスンの仕事がみっちり入ってしまってるので個室でないといけません。今回、一人利用ということもあり140ユーロ/6泊、きれいな1LDKを独り占めできて立地も凄く良くてめっちゃよかったです。

ホストのお父様はご高齢で英語は一切話しませんでしたが、私のひどすぎるセルビア語でギリギリ意思疎通をはかり、宿の説明を受けて鍵を受け取ることができました。このお父様、かなり細身でご高齢なのに階段で「荷物持とうか?」と聞いてくださったり、事前にお願いしていたボスニアSIMカードの設定を手伝ってくれたり、すーーーっっっごく親切でした。


ボスニアで買ったフワフワ駄菓子的。空気を食べてる感覚だけど癖になる味。

さてさて、今回は写真が少な目でしたが、楽しんでいただけましたか?
たった300キロ強の移動、ものの半日のあいだにドラマが恐縮されすぎて、ものすごくお腹いっぱいの一日でした。

この日に出会った人はみなさんいい人で、街のイメージは爆上がり。気持ちのいい滞在のスタートを切ることができました。次回のブログでは普通に観光した風景をまとめていきますね。

読んでくださってありがとうございましたー!!


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