ブリュッセルの眼鏡屋

海外大学に出願したい人がかならず通る苦痛のステップ、それは・・・

自分の語学力を証明すること

OH・・・苦痛オブ苦痛・・・だが避けて通れない道・・・ということで、今日は私が何度も自暴自棄になりながら半年かかってIELTS Overall 7.5 を取得した話をば・・・。

※ 非英語圏に留学する場合、通常は現地語の語学証明が(も)必要です。
私の場合「英語の証明だけでOKな学校」に的を絞っていたのでIELTSの話だけ!

ドイツの大学に応募してみる4 – 地獄のIELTS 前編 –

ドイツ大学ランキング1位 ミュンヘン工科大学 – ただドイツでランキングはそこまで重要ではないらしい

本日のMenu

【前編】
1. 応募に必要な語学要件
2. IELTS 初受験 – 2022年1月
Speaking (15分)
Lunch
Listening (30分)
Reading (60分)
Writing (60分)
3. 予想外すぎた結果発表
4. まさかのスコア不足、そして後編へ・・・

IELTSへの恨みつらみがとまらずめっちゃ長くなってしまったので、不本意ながら2部に分けます!

【後編】※予定
IELTS 2回目 – 2022年3月
IELTS 最終回 – 2022年6月
歓びの歌 〜もう受けなくていい〜

1. 応募に必要な語学要件

英語試験に関係しそうな写真が手元に全然ないので、適当に景色をお楽しみください(汗)

遡ること2021年冬。

さんざん悩んだ末「ひとまずドイツ!」と決めた私は、あちらの大学の必要語学要件を確認してみることに。するとどこの学部も以下いずれかのスコアが必要と判明。

・ TOEFL iBT – アメリカの試験
・ IELTS Academic
– イギリスの試験
Cambridge FCE – イギリスの試験

そう、英検やTOEICが書いてない!
さらにどの試験も4技能 (Reading/Listening/Writing/Speaking) 必須!!しかも!!!

TOEFL(トフル) 245 USD
IELTS(アイエルツ) 25,380円
Cambridge英検 21,850円

た、たっけぇぇぇぇぇ!!!!

嘘でしょ、TOEICなら値上げしたとはいえ1万以下なのに・・・特に円安の今、ドル建て請求のTOEFLは日本円で3万超え!!!!ありえねぇ!!

ごく一部TOEICを認めている大学もあるのですが、L&Rに加えて S&W(Speaking&Writing – 1万円!) も必要だったり、後になって「やっぱTOEFLかIELTSで」って言われるパターンもあるようなので、ここは腹をくくってメジャーなのを受験せねば・・・。あぁ・・・苦痛オブ苦痛 feat. DJお財布キラー・・・

そこで、貧乏性の私は決意しました。

IELTS ・・・ 1回でキメてやるぜ!!!

TOEFLは高すぎる & 人ではなくPCに向かってしゃべるSpeakingが嫌だったので、IELTS AcademicのComputer版を受けることに。こちらは手書きのPaperテストと違いWriting文字数をカウントしてくれたり、Copy&Pasteできる!そしてなんと「3〜5日で結果が通知される」のです!!

補足
語学証明に認められる資格として以下もあったりしますが、私みたいに純度120%ジャパニーズ × 庶民オブ庶民には無関係だったので割愛。

・ 高等教育機関の英語プログラムで一定以上の成績
・ IB (International Baccalaureate) または A-Level取得
・ ドイツ Abitur*で一定以上の英語成績
・ UNIcert
(ドイツの英語試験)で一定以上のグレード

*Abiturはドイツの共通テスト的なもので、大学入学資格を得る為の試験。かなり大変らしい。

さてそれでは具体的に、私が応募した大学のページを見てみます。

Otto von Guericke University Magdeburg – International Business and Economics内
Proof of English skills with one of the 「 > here」 をクリック。

1ドイツ高等教育機関のための大学入学資格」についても色々書きたい・・・

この大学では、IELTS 6.5 minimum が必要・・・ 他もチェックすると、緩めのところでスコア 5.5、基本は 6.0〜6.5

・・・ん?

それってどれくらいのレベル?

わからんのでググってみた。

大阪梅田の英語学校 Phillip James

ほ、ほう・・・

ちなみにここでいう「スコア」は4技能の平均を指します。もし Writingが5.5でも、Readingで7.0とってれば平均(Overall)はアップする。・・・ちなみに私は2021年のTOEICスコアが940点だったのですが、↑を見てそのまま大きな勘違いをしてしまうのです。

もしかして・・・いけるかも・・・? と。

後でめちゃくちゃ後悔することになるとは知らず、意を決して2022年1月のIELTS試験に申し込んだのでした。

2. IELTS 初受験 – 2022年1月

ウィーン大学にしのびこませてもらった時の写真 (ドイツ大学の写真が手元に全然ないのですわ・・・)

初めてのIETLSは・・・正直、ズタボロでした(精神が)。

この試験でダメだったらまた25000円払わなきゃいけないだけでなく、苦痛すぎる試験勉強をもう一度やるのが嫌で嫌で・・・これを絶対に落とすことはできない!というプレッシャーで数日前から頭ぐるぐる、顔面蒼白。

特にSpeakingとWritingはその特殊すぎるテスト形式に馴染めず、全然対策できないまま時間だけが過ぎていきました。重い腰をあげてトライしても、ちょっとやってはすぐ挫折・・・の繰り返し。

TOEFLやIELTSのWritingなんて誰にとっても難しいパートだから、普通は何十回も書いて添削を受けなきゃいけないのに、なにかと言い訳して先延ばし・・・結局3セットくらいしか書けず、ボロクソに添削されては絶望するというしょぼい準備しかできませんでした。

そして当日。

11:20 〜 Speaking (15分)

IELTS Speakingでは口語表現の自然さやボキャブラリー、論理的説明力を求められるのですが、なぜか『ええーと、なんだっけ〜』 (I can’t find the suitable word in English. / I don’t know how I should say. ) 的な事を言うと減点されるらしいのです。なんでやねん。些細なこととはいえ、人生100%反抗期の私としては全然納得いかず抵抗感MAX。

さらに目の前でガッツリ「自分の英語をテストされてる」感覚と、「間違えちゃいけない」プレッシャーも本当につらくて・・・まったく自信を持てないまま本番に・・・。

(IELTS Speakingの概要はこちらのページが詳しいです > English Lab)

案の定、全然喋れませんでした・・・

リラックスが一番大事だよ、と何度も言われていたけどさ・・・そんなの無理!頭真っ白。だって25000円!与えられたトピックを2分間スピーチするパートでは、言いたいことが全然まとまらずしどろもどろ。最後は 「oh, no. I can’t come up with anything about that」と、あっさりIELTS禁止フレーズをぶっこんで終わりました・・・

たった15分のテストが終わった時点で満身創痍。もう帰りたい・・・。私の25000円・・・。

11:35 〜 Lunch

写真はイメージです (最近のネット記事によくあるやつ!)

放心状態のまま近くのカフェでサンドイッチを詰め込み、最後の悪あがきで公式問題集を眺めていた私。周りを見渡すと、同じくIELTSを受験しているであろうとっても若い子たち・・・。

疲れていた私は、ついつい彼らの人生に思いを巡らせてしまいます。

 高校や大学でIELTS受けてるってことは留学準備かしら・・・ご家族はきっと教育熱心で、海外に理解があって、 IELTS対策にも通わせてくれて、留学費用も出してくれるんだろうなぁ・・・いいなぁ・・・羨ましいなぁ・・・

はっっっっっ!!!!
いま、わたし、なにをかんがえていたの・・・?!!

人は人、自分は自分です!!


私はちょっと遠回りしたけど!もうアラフォーだけど!!この歳だからできることもあるし!!
仕事経験も積めたし!!勉強楽しいし!!ギター弾けるし!! ← 関係ない

一夜漬けならぬ一昼漬けで、いよいよ午後のテストへ。

13:30 〜 Listening (30分)

13時に受付後、いよいよ長丁場の後半試験スタート!
ReadingとLiesteningは公式問題集をやっていたのでなんとなく形式はわかっていたものの、問題はそこじゃなかった。

ただでさえ緊張MAXの中、受験者でパンパンの会場に響きわたるタイピング音、ヘッドホンのカチャカチャ音、椅子がデスクにぶつかるドスドス音・・・もう頭真っ白(本日X回目)・・・。

はっと気づくと重要な回答を聞き逃していて、あえなく爆死・・・。

終わった・・・私の25000円・・・。

傷ついたハートは絶望という断崖絶壁の淵に立ちすくみ、たった風速1メートルの風にさえよろめいて谷底へ落ちてしまいそうな程ボロボロに・・・。

14:10 〜 Reading (60分)

Listeningで全く力を発揮できなかったことをひきずりつつ、なんとかReadingの説明を受ける私。

が・・・

なんか・・・めっちゃ気になる・・・

試験官のジャパニーズアクセントがめちゃめちゃ気になる!!

発音を良くしようと意識しすぎて逆にRがきつくコッテリしてるあの感じ・・・普段は気にならないのに今日はめちゃひっかかるぅぅぅ!!もう少しすっきり喋って!もしくは録音でいいからネイティブに喋らせてーーっっ・・・とそわそわしているうちにテスト開始!

IELTSのReadingは3つの長文を読んで40の問題に答える形式なのですが、その長文1つ一つがかなり難しくて長い!語彙力と読解力がめちゃめちゃ試されます・・・途中、明らかに誰も知らない単語を織り交ぜるだけでなく、難解な類義語ばかりボコボコ多用するので、高得点は本当に難しい。

(どんな問題か知りたい方は、IELTSの公開 Practice TestへGO!)

私はというとやはり全く心が落ち着かず、時間が刻々と過ぎていく焦りでパニック状態(本日Y回目)。目の前の文章を何度読んでも全く頭に入ってこない事態に・・・。

逃げちゃだめだ、逃げちゃダメだ・・・と文章を理解しようとするも見事に理解できず、なんと冒頭15分くらい無駄にしてしまったのです・・・私の自我はもう跡形もありません。

思い出すだけでも泣ける・・・。なんの手応えもかんじられないままReading終了。私の25000円・・・。

15:25 〜 Writing (60分)

もう・・・25000円のことを考えるのはやめました・・・。肉体はホロホロと崩れ落ち、脳みそは溶け出して神田川へと流れていきます。試験官のジャパニーズアクセントだって、もはやどうでもいい・・・。

そんな折、ふと我に返った私は気づきました。

「・・・めっちゃトイレいきたいいいいいい」

試験の受付から2時間半・・・行くなといわれると余計行きたくなるもの、それがトイレ・・・!!!水はなるべく飲まないようにしていたものの、尿意はすぐそこで羅生門をたたいています・・・あと1時間も行けないなんて・・・IELTSってオムツが必要な試験だったのか・・・。

ちなみにどうしてもトイレに行きたい場合、ReadingとWritingの試験中に限り、試験官同伴で行くことができます。ただその分回答時間を捨てることになってしまうので、よほどの緊急か英語猛者でもないかぎり無理。

さらに各試験の終了10分前から一切離席不可となり、「ちょっと巻きでReading終わらせてトイレへ」なんてこともできないのです!この仕組み考えた人の膀胱どうなってんの・・・!!!

暴れはじめる水門は見ないふりをしていたすきに、再び試験開始。そこでまさかの出来事が起こります。

う・・・他の受験者のタイピング音がめっちゃうるさい!

これは想定外。

IELTS試験の流れや注意点は事前に調べていたはずなのに、こんなにうるさいなんて誰も書いてなかったぞ?!受験シーズンのせいか明らかに人数多いなとは思ってたけど、想定していなかった雑音に頭は真っ白(本日α回目)。 私は再び呆然としたまま何もできず、10分ほどただ席に座って固まってしまったのでした・・・。

ていうか!

『IELTS Writingではいきなり書き始めちゃダメだぜ。まず最初の2,3分でじっくり問題文を読んで、解答欄にメモをしながら構成をプランするんだ!』

っていろんなIELTS Youtuberが言ってたのに、みんな開始と同時にガンガンタイピングしてるじゃねぇか!!どうなってるんだ!

・・・パニック状態のまま動けずにいると、心の中の悪魔yumenがささやきはじめました。

「もう今回のスコアは捨てて、諦めちゃえば?」

えっっっ

・・・い、いいの・・・?

「お金ならあるじゃない。また25000円払えばいいのよ」

うう・・・たしかにないわけじゃないけど・・・うううう・・・

ぐらりと傾く私の決心。遠くの方で 「一回でキメてやるぜ!」と叫んでいたあの日のyumenが泣いています。ああ・・・もう一回受ければいいのか・・・そうか・・・

・・・ってんなわけあるかぁぁぁぁぁい!!
私の25000円を無駄にしてたまるかぁぁぁぁぁ!!

突然スイッチが入った私は、頭からっぽのまま無心でタイピングを開始。どうぜ散るなら美しく・・・一体自分が何を書いてるのかもわからないまま、知りうる限りの英語表現を並べてひたすら解答欄を埋めていきます。私の25000円、私の25000円・・・。

そして50分後・・・大したスコアはもうとれないと知りながらも、なんとか必要文字数まで書き終えた自分がそこにはありました・・・。ああ・・・もう思い出したくない・・・。

そのまま私の初IELTSは終了し、無事にトイレに行けたのはなんと17時近く・・・。

IELTS・・・地獄すぎる・・・

3. 予想外すぎた結果発表

遠くにいきたい

それから3日もの間、私はあのひどい男のことをなるべく考えないようにしていたわ。いつもの何倍も仕事に没頭して、二度とその名前を見ないように携帯もオフにしていたの。あいつってば、1月の冬空の中私を神楽坂まで呼び出して、つたない英語をあざ笑い、理解できない難解な言葉でベラベラとまくしたててきたわ。ひとっつも面白くないただ長ったらしいだけの英文記事を3つも読ませて、記事の中身について何度も何度も詰問してきたんだから・・・英語がわからずしどろもどろで答えを探す私を見て、あいつ、心底楽しそうにケラケラ笑っていたわ・・・。

それだけじゃないのよ。私がすっかりパニックになったのをいいことに、最悪なタイミングでカタカタ大きな音で脅してきて、 「今すぐ英語で報告書を書け、2つだぞ。絶対に間違えるな」なんて命令してきたの。わたしに英語なんてわかるわけないのに、あと5分、3分・・・とタイマーを刻みながら、苦痛にあえぐ私を見てニヤニヤ楽しんでいたのよ・・・。

とにかく顔だけはいい金持ちのイギリス男だったけど、英国紳士からは程遠い、ただ恐ろしい奴だった。こんなにひどい仕打ちを受けると知ってたら、私は絶対近づかなかったのに・・・。

でも・・・あれはもしかして・・・私の夢だったのかしら。あんなにひどい奴、本当に存在するかしら・・・いいえ、夢なんかじゃないわ! だって私、はっきり覚えているもの。あの尿意を・・・!トイレにさえ自由に行かせてくれないイカれた男がこの世に存在するなんて、A子は信じてくれるかしら・・・私がこの話をしたら、きっとあの甲高く大きな声で「冗談きついわ!」って笑うでしょうね・・・。


・・・とんだ茶番にお付き合いいただきありがとうございました。

テスト結果は3〜5日でオンライン通知されると聞いていましたが、なんときっかり3日後のお昼頃にメールでお知らせが!!予想スコアは6.0・・・いやもっと低いかも・・・。覚悟を決めてサイトにログイン。

ん?

え?

あれ?

なんと・・・

Overall 7.0 !!!

( Listening 7.0, Reading 7.5, Writing 6.0, Speaking 6.5)

嘘でしょ!!?なんで?!なにがどうなって7.0?!!・・・にわかには信じられませんでしたが、とにかく私は本当に1回で、欲しかったスコアを達成できてしまったのです。

が・・・

実は・・・まだ終わりではないのです・・・。

4. まさかのスコア不足、そして後編へ・・・

やっぱり遠くにいきたい

なんであの出来で7.0もとれたんだろう・・・

狐につままれたような気分で帰宅した私はもう一度、大学の各種情報をチェックすることに。

するとやはり、 Overall 7.0あれば多くの大学に応募できる事が判明。今回のスコアは2年間有効なので、万が一ドイツがダメでも、来年は別の国の応募に使えちゃう!!!

すごい・・・私・・・本当に1回でIELTSとさよならできた・・・!!!

しかし・・・

安心してください!

そうはドイツ(問屋)が卸しません!!!

チェックした中で一箇所だけ、このスコアじゃ入学できない学校があったのです・・・!!!

IELTSの必要スコアは6.5・・・と思いきや・・・

【 IELTS(academic): 6.5 points at minimum in all areas

ぃ・・・ in all areas !?!

つまり・・・

4技能全部で 6.5以上必要ってこと???!!!!

しかもここ、私が一番気になってる大本命の大学やんけーーーー!!!!


恐るべしIELTS

そんなわけで、もう一度あのクレイジーな男に会いにいくハメに・・・。

ていうかこの記事、本当はさくっとまとめようと思ってたのにIELTSのドSっぷりがひどすぎてこんなに長くなってしまいました・・・申し訳ない・・・クレームはIELTSまで!!

もう嫌・・・と言いつつ更に2回受験することになった私の戦いは、次回に続きます!

> ドイツの大学に応募してみる4 – 地獄のIELTS 後編 をお楽しみに!!!

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